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こんにちは。清明学園中学の盒兇任后


今週は、卒業生エピソードを紹介したいと思います。

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指導者のみなさんは、毎日生徒と向き合われているなかで卒業生一人一人に強い思い入れがあるかと思います。私も同じです。3年間、おそらく誰よりも一緒に過ごしているかと思います。苦労をかける生徒もいれば、自分で自然にに成長していく生徒もいます。

●全国大会で活躍することよりも大切なこと

 先日、テニス部のミーティングでご退職された校長先生にお礼の手紙を書こうと部員に投げかけました。校長先生にはいつもいつも活動を温かく見守っていただきました。
 
できれば3月に行いたかったのですが、都道府県対抗・全小・高校選抜・その後、岐阜遠征があり、その準備に追われて、そのような心のゆとりが私には持てませんでした。
 
 やっと落ち着いた4月のある日のことです。部員を集めて便箋を渡して、

『 お辞めになった校長先生にこれまで応援してもらったお礼と今後の決意表明などを書こう!心を込めて! 』

その後、いろいろな話をして終わろうとすると部員1名が駆け寄り、

( 生徒 )『 先生、すでに春休みに手紙を出しました! 』

( 私  )『 えっ!!!なぜ?自分で出しの?校長先生となにか深いつながりとかあったっけ?? 』

( 生徒 )『 自分でお礼を伝えたくて。もう返事ももらっています 』

( 私  )『 すごいな!誰に言われるまでもなく自分で!!素晴らしい! 』『 もう君に教えることは何にもないな!都大会で勝つことより、関東で勝つことより、全国大会で活躍することより・・・・。立派なことをできるようになったんだな。もう免許皆伝だ。教えることはない!あとは、それを後輩に教えてあげて 』

 という会話をしました。彼は現在、生徒会長です。

いま、大田区予選で都大会出場をかけて懸命に練習をしています。同級生がスーパーシードで出場を決めるなか、焦らずに日々戦っています。

このように、階段を着実にあがっていく生徒もいれば、私が何度も何度もしつこく言い続けなければいけない生徒もいます。そこは我慢比べです。(笑)


●自ら成長し続けた生徒のエピソード

 長くなりましたが、今回、紹介するのは、卒業生の中でも自分で成長し続けた生徒です。私が手をかけずとも、少し灯りを照らしただけで上へ駆け上がっていった生徒を紹介します。
 
彼は、中学からソフトテニスを始めました。私も若くて朝から晩まで練習をしていました。この代で初めて夏の全中個人で進むことができたのですが、彼はレギュラー候補として頑張っていました。

過度の練習に加えてアップやクールダウンなどについて勉強不足であった私は、勝利のためだけに心血を注いでいたのかもしれません。結果、彼の肘はテニスをするのには、再起不能になってしまいました。下半身を使うことなく手打ちもあったのかもしれません。保護者から診断結果の連絡をもらったときには、一緒に泣いたのを覚えています。

治療中も朝練を休むことなく、狭いコート間を黙々と走っていた姿もはっきりと覚えています。本人・保護者の希望もありテニス部には残ることになりました。左手でテニスを始めました。そのときに、まさか都大会優勝メンバーのレギュラーとして決勝の舞台で活躍するとは想像すらできませんでした。

あるとき、私が学校の清掃について

『 清掃で心が磨かれる。顧問の私がいないところが成長するチャンスだ。清掃は、みんなが嫌がるところ・汚いところ・ゴミ捨てを率先してやろう 』と投げかけたところ、それから毎日、彼は清掃あとのゴミ捨てを継続していました。清掃担当の先生から 『 テニスの○○君は、なぜか毎回ごみを捨ててくれるんだよな〜 』という報告聞いてうれしくなったことも覚えています。
 
 そのような彼が心と技を磨き、都大会団体の決勝戦の舞台で左手でラケットを持ち、相手エースに勝ち優勝を決めた瞬間、私自身がいろいろなことを教えてもらいました。今でも後輩たちに話すことがあります。

 また、彼は難関高校へ合格して大学在学中に有名雑誌モデルとして活躍しました。専属契約をしたこともあり、毎月雑誌を購入して読んでいるとまた驚かされました。彼の好きな言葉というところに
『 日常五心 』とありました。そうです。これはその当時、私が部員たちに伝えた言葉でした。

はい    という素直な心
すみません という反省の心
おかげさま という謙虚な心
私がします という奉仕の心
ありがとう という感謝の心 

 私がことあるごとに、部員に、この心を大切にしたいな、こういう心があれば周りの人を幸せにすることができるなと話していました。それを胸に刻んで生活していたということがとてもうれしかったです。このように内面を磨いてきたからこそ、何万人ものオーディションを勝ち抜いたのだと感じました。

* * * * * *

 先生方もたくさんの素晴らしい卒業生とのエピソードがあるかと思います。機会があれば教えていただければ嬉しいです。私が尊敬する指導者、大和ジュニア松口さまから
『 子供は、美談で育てろ 』という教えを聞いて、いろいろな卒業生の話を生徒に話すようにしています。


 次回は、団体戦メンバー選考について ご紹介します

では!


【編集部より】※高橋先生へのお手紙、ご質問、レター等は、都道府県・ニックネームを添えて、
sofuonhenshubu@gmail.com 
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●参考情報:

清明学園・高橋先生に関する記事:

 ●ソフオン編集長が高橋茂先生の指導方法の根幹に迫るインタビュー

[ 高橋 茂 監督 プロフィール ] 
 清明学園中学校 ソフトテニス部顧問 
 全日本アンダー17男子コーチ 

[ 清明学園中学 近年の戦績 ]
 (平成26年度) 全国中学校大会 男子個人戦優勝、男子団体戦出場 
 関東中学校大会 男子個人戦優勝・ベスト16、男子団体戦優勝 
 第2回国際ジュニア大会 男子シングルス優勝 
 過去5年間では全国出場3回、都道府県対抗10年連続出場、東京都大会・個人の優勝は10回以上 
 
 
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